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もっともっとTOSA[Home] > 地域に根ざした文化と歴史 地域のイベント・祭り 高知の夏 高知県中部 > 年に一度本物に会える、赤岡町の絵金祭り
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[ライター:華]投稿:2010年08月29日
極彩色で描かれた普段見慣れない芝居絵。
鮮烈な印象を残す「血赤」と呼ばれる血の色。
別世界のような、妖しく、美しい絵金の屏風絵は、おどろおどろしいけど、コミカルな表現も織り込まれていて、じっくり見入ってしまう、不思議な魅力があります。
絵金として土佐の庶民に親しまれた幕末の絵師、金蔵。
この天才絵師は、藩のお抱え絵師から、数奇な運命に翻弄され、かつて、商都として栄えていた赤岡町に辿り着き、赤岡町の酒蔵をアトリエに、歌舞伎や浄瑠璃の物語を題材として絵を描きました。
現存する屏風絵23点。
普段は、絵金蔵にて保管しており、「蔵の穴」で覗き見ることしか出来ない本物の絵金の大屏風絵が、年に一度、夏祭りの宵にだけ取り出されて、町内の各所蔵者の家の軒先に並びます。
7月の第三土曜日、日曜日の「絵金祭り」は、商店街の発展を願って、昭和52年から始まり、酒蔵開放やビアガーデン他、屋台が並び、イベント等も行われる賑やかな祭りで、この時ばかりは、県内外の観光客で、小さな赤岡町の人口は一気に膨れ上がります。
絵を飾っている店の、誰に訪ねても気安く語ってくれ、小さな街全体が、絵金を誇りに想い、大事にしている事がひしひしと伝わってきます。
それにしても、大胆なギャラリーですねー。本物を直に、しかも、戸外で鑑賞できるなんて・・・。
又、毎年7月14日、15日の須留田八幡宮の宵宮では、赤岡町本町通りの灯りは全て消され、ろうそくの炎と、提灯の灯りだけが芝居絵を照らし出します。
これは、幕末より百数十年変わることなく続いている風習だそうで、元々はこの神祭で奉納するために、町の旦那衆が、絵金に依頼し、魔除けのために各商家の軒先に飾ったのが始まりと言われています。
闇夜に浮かび上がる屏風絵は、当時の迫力そのままに、ろうそくの灯りの元妖しくゆらめいて、絵をじっくり見たい人には、おすすめ。